岩石力学 > 内圧を受ける円形坑道の長期安定性の検討 > 1.はじめに
1.はじめに

著者等は,以前,非線型粘弾性論に基づいて開発したコンプライアンス可変型構成方程式を用いて,円形坑道の長期安定性について調べた(大久保・金,1993).その計算機シミュレーション結果によれば,時間の経過にともなって緩み領域が次第に坑壁より奥へと拡大していく様子を再現できた.また,岩盤の時間依存性の大きさや,強度破壊点以降の応力−歪曲線の傾きが,計算結果に及ぼす影響についても検討した.

さて岩盤内に設けた坑道中に,さまざまなものが貯蔵・保管されることが多くなりつつある(例えば稲田,1997).その際,内側より圧力が加わる場合がある.この種の坑道の短期的な安定性については,弾性論や塑性論で議論できるかもしれないが,場合によっては数千年〜数万年の挙動をある程度把握しておく必要がある.そこで本報告では,内圧を受ける坑道の長期安定性について,既報(大久保・金,1993)で用いた構成方程式を採用し,計算機シミュレーションによって調べてみることにする.

既報では坑道の半径などについて具体的な数値を与えず,計算結果についても無次元化した値のみ示したが,今回は問題を分かり易くするため,廃棄物の地層処分場(PNC 1996;PNC,1997)を例にとってやや具体的に議論を進めることにする.ただし,本研究の目的は,計算機シミュレーションを通じて,内圧を受ける坑道の長期安定性の評価をするにはどのような基礎的検討が必要か,どのようなデータを収集する必要があるかを明瞭にすることであり,坑道内に置かれる充填材や廃棄物の特性・挙動の詳細は取り扱わない.

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