一軸圧縮荷重下での岩石の一般化した応力緩和特性

1.はじめに


クリープ試験では試験片に加わる荷重を一定に保って歪の経時変化を観測する.一方,応力緩和試験では変位を一定にともって応力の経時変化を調べる.従って,クリープ試験と応力緩和試験とは対極関係にあり,岩石の時間依存性挙動を明らかにしようとする場合には,両試験とも有力な手段である.クリープ試験は従来からさかんに行なわれており,数多くの報告がなされている.しかしながら応力緩和試験は,岩石の変位を一定に保つ方法が難しいため,報告が少ない.山口(1980)は,一軸および三軸圧縮荷重下で三城目安山岩の応力緩和試験を行い,緩和応力と対数表示した経過時間との間に直線関係が成立したとしている.Hudsonら(1973)は,クラスT岩石を対象とし,定歪速度にて強度破壊点以降まで負荷し,その後,歪を一定に保って応力緩和試験を行っている.その結果,時間が経過するにつれて緩和応力速度は減少したと報告している.Wawersik & Brace(1971)はクラスU岩石の応力緩和試験を行い,緩和応力速度が増加し破壊の生じる場合のあることを指摘した.また,応力緩和とクリープの関係(Peng:1973),応力緩和と一軸圧縮強度の載荷速度依存性の関係(Peng & Podnieks:1972)についての報告もあるが,いずれも定性的な議論に留まっている.

クリープ試験,応力緩和試験結果の応用として,鉱柱などの岩盤構造物の安定解析が挙げられる.例えば,天盤を介して一定の荷重を受けている鉱柱に,弾性挙動を示す支保を打設した時を想定してみる.鉱柱に荷重が作用しているので,鉱柱は時間の経過とともに変形していく.鉱柱の変形に伴い,支保には弾性変形が生じ,支保荷重が増加し,鉱柱の受け持つ荷重は減少していく.すなわち,時間の経過に伴い鉱柱の変位は増加し荷重は減少し,荷重一定のクリープと変位一定の応力緩和のいわば中間の状態で,時間依存性変形が生じることになる.この例のように実際の岩盤では,荷重,変位とも経時変化しているはずであり,従来行われてきたクリープ試験あるいは応力緩和試験により,その挙動を予測するのは困難と考えられる.この点はある程度認識されてきた(Hudsonら:1973,Pariseau:1977)と思われるが,適当な実験方法がなかったため未解決の分野として残されている.

本研究では,クリープ試験,応力緩和試験および,先ほど述べた両者の中間の試験を行い,それらの関係について調べて,岩石の一般的な時間依存性挙動について検討することにする.