一軸圧縮荷重下での岩石の一般化した応力緩和特性

4. 歪および緩和応力の経時変化


一般化した応力緩和試験における緩和応力あるいは歪の経時変化の例を図4に示す.図4は緩和応力方向係数が同じ(γが一定)で,緩和試験開始時の応力が異なる場合である.なお,緩和応力σreおよび歪εcrは,緩和試験開始1s後の値を原点とし,横軸は経過時間の対数をとっている.

図4(a)はγ=0.5での三城目安山岩の実験結果であり,図2のACの方向に現象が進行する.緩和試験開始時の応力が一軸圧縮強度の50%の場合のように,緩和試験開始時の応力が比較的小さい時には,緩和応力あるいは歪は経過時間tの対数に比例しており,式で表すと次のようになる.

σre=a1・log(t)  (14a)
εcr=a1'・log(t)  (14b)

ただし,a1およびa1'は定数である.(14b)式は,対数クリープ則としてクリープ試験において成り立つことが従来から知られている(福井ら:1989).今回の実験によって,このように一般化した応力緩和試験でも対数クリープ則に類似した関係が成り立つことがわかる.一方,緩和試験開始時の応力が大きい時,最初は(14)式が成立しているが,次第に傾きを増す.また緩和方向係数が同じである場合,実験を開始する応力が大きいほど,(14)式のa1およびa1'の値が大きくなる.

図4(b)は,γ=3.3での三城目安山岩の実験結果であり,図2のADの方向に現象が進む.この場合には歪の減少に伴い,応力が低下していき(14a)式の関係の成り立つことがわかる.

図5(a)は,緩和試験開始時の応力を一軸圧縮強度の80%とした時の三城目安山岩の結果である.γ=0.33と0.5は,図2でACに相当する場合で,あらかじめ予想されたように,クリープ(γ=0)の場合より歪が大きい.これに対し,γ=−0.33の場合の歪はクリープより小さい.

図5(b)は,緩和試験開始時の応力を一軸圧縮強度の90%とした場合の河津凝灰岩の結果であり,図5(a)と同じ傾向である.

図5(c)と(d)は,γの絶対値が比較的大きい場合で,縦軸を緩和応力とした整理した.いずれの場合も,応力の低下速度は経過時間に反比例して急速に減少し(14a)式が成り立つ.これはγの絶対値が大きく,わずかに変形すると応力が大きく低下するためと思われる.