一軸圧縮荷重下での岩石の一般化した応力緩和特性

5. 応力−歪曲線との関係


図6は,緩和試験開始時の応力が同じ場合,試験開始10s後の応力と歪の位置を,応力−歪線図上に示したものである.ただし,実線は10−4−1の載荷速度で得られた応力−歪曲線を表す.すなわち,実線上の黒丸を出発点としγを様々に変えて実験した時の結果である.図6(a),(b)図7(a)のように緩和試験開始時の応力が小さい場合,同じ時間経過した時の応力−歪線図上での位置は,応力−歪曲線とほぼ平行な直線上に存在している.緩和試験開始時の応力が同じである場合,緩和方向が応力−歪曲線の傾きに近づくほど,歪あるいは応力の変化量が大きくなっている.このことは,図5の結果からもわかる.一方,図6(c)図7(b)のように試験開始時の応力が大きい場合,10s後の応力と歪の位置は応力−歪曲線を右に平行移動した線上にのらない.

緩和試験開始時の応力の影響を詳しく調べるために,三城目安山岩を用いクリープ応力を一軸圧縮強度の20%〜90%の間で変化させて,クリープ試験を行った.試験開始10s後のクリープ歪とクリープ応力の関係を示したのが図8である.クリープ応力が小さいほど試験開始10s後でのクリープ歪が小さくなっている.

図9にすべてのデータを記載した.試験開始10s後の応力と歪の位置は,応力−歪曲線を応力方向に縮小したものとなっているように見える.図9に示した実験結果の他,10s後とか10sとかでの結果に基づき,応力−歪線図とある時間経過した緩和量の関係を模式的に表したのが図10である.例えば,AからBの方向に変形が進行している場合,10s後にはC点で表される応力と歪の値となり,10s後にはD点の位置となることを表している.また,γを変えて実験を行い,一定時間後,例えば10s後の位置をプロットすれば,図10に示したような曲線上に乗ることも示唆している.図6は,これに対応した測定結果である.