一軸圧縮荷重下での岩石の一般化した応力緩和特性

9. まとめ


簡単な例として,一定の荷重が作用している鉱柱に弾性体の支保を並列に打設した時を想定すると,鉱柱の応力,歪とも経時的に変化し,いわばクリープ状態と応力緩和状態の中間の挙動を示す.また,変形特性の異なる粘弾性変形を起こす2本の鉱柱があり,2本で一定の荷重を支える場合には,一方の鉱柱の荷重は変位とともに増加し,他方の鉱柱の荷重は減少することも明らかにした.このように実際の鉱柱では,時間の経過とともに応力も歪も変化している場合がむしろ普通であると思う.しかしながら従来の研究では,岩石の時間依存性変形として,本報告で述べたような変形挙動がどのような状況において起こるかの例をまとめると次のようになる.

1)変位が増加し,荷重が減少する(図2においてAB方向)
弾性体と強度破壊点以前の鉱柱が並列で一定の荷重を受けている場合の鉱柱

2)変位が増加し,荷重が増加する(図2においてAC方向)
強度破壊点以前の鉱柱と以降の鉱柱が並列で一定の荷重を受けている場合の前者

3)変位が減少し,荷重が減少する(図2においてAD方向)
強度破壊点以前の鉱柱と以降の鉱柱が直列で応力緩和状態にある場合の前者

2本の強度破壊点以前の鉱柱が一定の荷重を受けている場合には,一方が1),他方が2)となる.

このような一般的な変形挙動を調べる実験は,応力帰還制御を応用することにより可能である.実験の結果,試験開始直後は一般化した応力緩和試験においても,対数則の成り立つことがわかった.試験開始応力が同じで緩和方向係数が異なる試験において,10s後の応力と歪を応力−歪を応力−歪線図上に示すと,応力−歪曲線を応力方向に縮小した曲線上にのる.この様子を模式的に応力−歪線図上に描いたのが図10である.

歪と対数表示した残存寿命の間に(15)式で表されるような直線関係がみられた.すなわち,クリープ試験において確かめられていることが一般化した応力緩和試験においても,成り立つことがわかった.この事実は,岩盤構造物の破壊予測に追うようできる可能性がある.