非対称シリンダを有するサーボ試験機での岩石試験の制御性
2.実験装置および無負荷時の応答

2.1 実験装置

本研究で使用したサーボ試験機は、著者らの研究室で開発した容量500kNで非対称シリンダを有したものである。試験機の概略を図1に示す。シリンダ上部には変位計検出用の差動変圧器式変位計(新光電機製 6114)が取り付けられている。荷重はロードセル(日本特殊測器製 LRN20T)により検出される。また油圧測定用の圧力計(共和電業製 PG−200KU)がシリンダの各室に取り付けられている。

変位は増幅器(新光電機製 1533)で、荷重およびシリンダ室内の圧力は直流増幅器(ユニパルス製 AM30)でそれぞれ増幅した後、A/D変換器(デイテル製 DPC−113−16A)を通してコンピュ−タに入る。A/D変換器は16bitの分解能で、1チャンネルあたりの変換時間は48μsである。コンピュ−タの中で演算後、制御信号はD/A変換器(CONTEC製 DA16−2D(98))を通し、サ−ボ弁に入力し制御する。D/A変換器は16bitの分解能で、変換時間6μsである。雑音防止のため変位計の出力を1kHzのローパスフイルタに通した。圧力源は住友精密製(QT33−10)である。また、押し側となるシリンダ室1の断面積は311.61cmで、引き側となるシリンダ室2は191.43cmであり、シリンダ室1と2の断面積比は約1.6である。サーボ弁として力フィードバック式の東京精密測器製(403F−15L−30−21)を用いた。

2.2 無負荷時の応答

岩石試験に先立ち、無負荷時のシリンダ室の圧力変化を調べることにした。 まず、変位制御で周波数応答を行った。振幅を0.625mm、周波数を0.1および0.01Hzの2種類の正弦波を、目標信号として与えた場合の結果を図2に示す。図2の上側は変位の経時変化であり、0.1、0.01Hzともにほぼ目標通り制御されている。図2の下側はシリンダ内の圧力の経時変化である。ただし押し側のシリンダ室の圧力P1および引き側の圧力P2は、油圧源の供給圧Psで正規化した。0.1Hzでは供給圧で正規化したP1は0.22〜0.48、P2は0.35〜0.80の間で、ほぼ矩形状に振動している。その周波数は設定した目標信号の周波数と同じであり、シリンダの移動方向が変化した場合に圧力が変化している。他方、0.01HzではP1は0.33〜0.46、P2は0.55〜0.75の間で振動しているが、この場合もシリンダの移動方向が変化した場合に圧力変動が生じている。このように非対称シリンダでは、シリンダの移動方向によって圧力の変動が現れ、特に引き側のシリンダ室の圧力P2の変動が大きい。 次に、変位を一定した場合の圧力変化を調べた。シリンダを変位制御でステップ状に若干上方に移動させるように目標信号を与えた場合の、油圧源を駆動してからのシリンダ室の圧力P1およびP2の経時変化を図3に示す。ただし、この場合もシリンダ室の圧力は供給圧で正規化した。図では油圧源を駆動させた直後に急激な圧力上昇が見られ、3s以降徐々に圧力の増加率が減少し、10sで定常状態に達している。定常となった時の、供給圧で正規化した圧力は、P1=0.38、P2=0.62である。また、シリンダを下方に移動させた場合も同様の値を示した。