非対称シリンダを有するサーボ試験機での岩石試験の制御性
6.まとめ

サーボ試験機に限らず、容量が大きくしかも精密な位置制御ではサーボ機構を利用した非対称シリンダを用いる利点があり、建設機械の分野で今後、需要の増加が予想される。本研究はこれらを念頭にいれて、非対称シリンダを有するサーボ試験機の制御性を検討した。

その結果、非対称シリンダでは、押しに比べて引きでは大幅にシリンダ室の圧力が上昇することがわかった。ただし、載荷速度が小さいと漏れ流量の影響が大きくなるため、圧力の変化は緩和される。押し引きでシリンダ室の圧力が変化すると、次のような問題が生じ、制御性が低下する。

1)圧力変化のために、油の体積弾性の分をシリンダに供給する必要が生じ、押し引きの変化に時間遅れが生じる

2)押し引きで見掛け上のゲインが変化し、中立点を境にして非線形的な制御となる

上記の圧力変動に対する対策としては、

1)積極的に漏れ流量を大きくする

2)サーボ弁を改良してサーボ弁の絞りを変化させ、流量定数を断面積比に合わせる

3)フィードバックゲインをシリンダ圧力によって変化させる

などが考えられる。建設機械などに搭載する場合には、上記のような対策をとることは可能であると思われる。

単純な事項であるが、対称、非対称にかかわらずサーボ試験機にとって、余裕のある条件が制御性の向上につながることを意識することが重要であろう。

本研究では、シリンダ部での漏れやサーボ弁の負重合に関して定量的な考察を行わなかった。その理由は、試験機やサーボ弁ごとに、その変数がかなり異なると判断したためである。そのため、定量的にどのような試験機でどの程度の載荷速度であれば制御性がよいかなどを示すことができなかった。現実的な問題として一般的な物性値を把握して、定量的な評価が今後必要であると考える。