石炭強度の載荷速度依存性に関する研究
5.圧裂引張試験

圧裂引張試験には,容量10kNの万能試験機を使用した.試験中のプラテンの移動速度は約0.014mm/sであった.圧裂引張試験は,2方向から載荷した.例えばX方向試験片(X方向にボーリングした試験片)では,Y方向とZ方向に載荷した.これらを以下ではX(Y),X(Z)のようにあらわすことにする.表1(c)に圧裂試験結果をまとめて示す.これらからわかるように,Y方向の強度を示すX(Z)およびZ(X)方向試験片よりもとめた圧裂引張強度がもっとも大きく,ついでZ方向であり,X方向の引張強度を示すY(Z)およびZ(Y)方向試験片の結果がもっとも小さかった.

X方向の引張強度を示すY(Z)およびZ(Y)方向試験片の場合,破断面はプラテンとの接触点を結ぶように形成されることが多かった.これに比べ,他の場合には,複雑な破断面が形成されることが多く,載荷点付近での圧壊,交差・分岐した破断面,複数の破断面などがみられた.

圧裂引張試験の結果は,強度の高い順にY,Z,X方向と並ぶ点では一軸引張強度と同じであったが,その値を比べてみると,一軸引張強度の2〜3倍であった.この点については今後の検討が必要であろう.