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4.室内試験(圧縮強度試験)
4−1 試験機としてどのような種類があるのか
従来,油圧式の万能試験機が岩石の圧縮強度試験では用いられてきた.操作が簡単で融通性が高く,現在でも使われている.しかし,歪速度や応力速度を一定にした試験などのように,正確に目標をもった試験を実施することが困難である.そのため,岩盤力学の分野では1960年代から徐々にサーボ試験機が導入されるようになってきた.

4−2 サーボ試験機とは
センサーで検知した量を制御量とした,閉回路制御系を有する試験機を指す.制御量は連続的に精度良く検知できる量ならばなんでもよい.命令信号を一方的に出すだけでなく(開回路制御系),命令信号どおりに試験がおこなわれているかどうかに注目し(帰還,feedback),命令信号からの偏差を補正するのが閉回路制御系の役割である.なお,サーボ(servo)の語源はslaveを意味するラテン語といわれている.
最近の電気−油圧方式のサーボ試験機では,命令信号を時間の関数(一定,単調増加,正弦波等)として,試験片の変位や応力がこの信号の通りとなるように制御が行われる.

4−3 サーボ試験機の設計や購入で気をつけることは
設計や購入にあたって注意するのは,やはりサーボ弁とセンサーの性能であろう.両者とも,仕様は同じでも製造会社により個性が異なる.

4−4 サーボ試験機の制御に問題はないか
サーボ試験機はいくつかの機械的・電気的構成要素からなっており,各々の構成要素の遅れ時間が加算された試験機の遅れ時間は10〜100 ms程度となる.この試験機の遅れ時間は,閉回路制御系のゲインを大きくするなどの手段により,ある程度短くすることができるが,無理をすると安定性を欠く結果となり,使い勝手が悪くなる.
サーボ試験機には遅れ時間があるので,あまりに速い載荷速度の場合には,目標通り試験が行われないことがある.最近の試験機では,ピーク強度まで数sで載荷するならば特に問題はない.しかし,1 s以下で載荷する場合には,ピーク強度以降の応力−歪曲線への影響は大であるので,注意が肝要である(Okubo et al. ,1993a).

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4−5 サーボ試験機の剛性は
剛性が高いほどピーク強度以降で使用しやすいことは確かである(Okubo et al. ,1993a).よく試験機のフレームの剛性がいわれるが,実は油圧シリンダー内の油の剛性が比較的低いことが多い.油の剛性は理科年表などでみると充分に大きいが,実際には空気の泡などを含んでおり,かなり低下している.したがって,できる限り,ストロークを小さくして,油圧シリンダー内の油量を減らすことが必要である.
4−6 応力帰還制御はどのような場合に有効か
特に花崗岩の場合に有効である.このように強度破壊点以前はほぼ弾性体であり,強度破壊点を過ぎると急激に破壊するものに対しては特に有効である.花崗岩の場合には,試験片の側面から小さな岩片がぱらぱらと落ちてくる.本当に最後の最後まで(試験片上部が重力で落下するまで)制御可能である(Okubo and Nishimatsu,1985).よく聞かれるのはαをどのくらいにしたらよいかわからないということだが,わからなければ0.5に設定するのが良い.なお,αの設定方法に関しては稲田(1997)が興味深い提案をしている.

4−7 応力帰還制御は引張でも使えるか
問題なく使える.これまでのところでは,応力−歪曲線の形状は圧縮の場合とほとんど変わっていない(Okubo and Fukui,1996).

4−8 三軸圧縮試験の問題点は何か
まだまだ解決すべき点が多く残っていると思うが,その一つに試験片が変形し,その側面に亀裂などが生ずることがなかなか観察しにくいことがあげられる.そこで,周圧ベッセルをエンジニアリング・プラスティック(アクリル系,商品名はアクリライト)で作ってみた.周圧10 MPaまでは試験済みでもう少し上の圧力まで大丈夫と考える.これは他の研究者にも試してもらい,情報交換をしながら開発を進めていきたいと考えている.

4−9 基礎的な試験法などで意外に難しいと感じることは
全て難しいとも言えるが,低応力レベルでのヤング率とは何かが,考えれば考えるほどわからなくなってきた.低い応力レベルでもクリープは生じる.したがって,通常は弾性歪と考えられている歪の中に非弾性歪が含まれている確率が高いが,そうするともっと低い応力から応力−歪曲線が上に凸となるはずだが必ずしもそうはならない.このあたりは気長に検討していきたいと思っている.

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