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5.室内試験(クリープ試験)
5−1 クリープ試験はどのような条件でおこなうのが得策か
高価な空調装置の購入や長期保守は無理なことが多いので,完全に水に浸した条件でおこなうか,あるいはこの条件を中心に据えて検討をするのが得策と考えている.日本の場合には,地下水レベルが高く,多くの現場で水が相当にあることから考えても,このような条件でおこなうことが得策といえる(大久保・秋,1994).

5−2 クリープ変位の計測は何でおこなうのがよいか
これは非常に難しい質問だと思う.著者が好んで使用しているのは,歪ゲージを貼ったカンチレバー式(片持ち梁式)である(大久保・西松,1986).これに歪アンプをつなぎ,次にディジタルボルトメータ,そしてGP−IBを介して計算機に記憶させている.これで測定できるクリープ歪速度の限界はだいたい10−10 〜 10−12−1位だと思う.これよりさらに遅い歪速度を計る必要があるときにはさらに工夫がいると思っている.このところずっと考えているのだが,うまい方法がみつかっていない.

5−3 サーボ試験機はどうか
長期間の運転はなかなか難しいと思う.サーボ試験機を用いたクリープ試験はせいぜい1週間程度の期間に留めることを勧める.その理由として,まず電源が安定しないことが第一である.たとえばごく短時間の停電でも,安全装置が働いてサーボ試験機が停止してしまう.次に,サ−ボ試験機は,他に比べ高価な装置であるため,減価償却費が高く,占有はあまり好ましい形態ではない.また,保守に手間とお金がかかることも欠点である.

5−4 重錘式クリープ試験機はどうか
一般に正確と考えられ古くから使われてきた(西松・山口,1980).しかし,通常の環境下では,どうしても振動の影響を受け易く,格段に良好な結果がでるとは思えない.また,室温変化の影響を受けることは他の方式と同じである.すなわち,理想的に作られていれば,温度の影響はキャンセルされるが,これも他の方式の試験機とほぼ同様に,現実的にはなんらかの狂い(製作誤差)があり,温度によって荷重などはある程度変わる.このようなことを総合的に考えると,安定度は他の方式とさほど変わることはなく,どうしても大型になるという欠点のみが残りがちである.

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5−5 空圧式クリープ試験機はどうか
これは,小型コンプレッサー(通称ベビコン)からの空気を圧力調整弁に導き,さらに空圧シリンダーで力に変換するものである.小型コンプレッサーには圧力だめがあるので,常時運転する必要はない.空圧の場合の長所は,圧力調整弁でかなり正確に圧力が調整できることである.したがって,停電の時などにもあまり心配はいらない.また,空圧シリンダーも抵抗が非常に小さいものが市販されており,精度に関しても,他の方法に比べてほとんど遜色がない.ただし欠点は,低圧なので空圧シリンダーが大きくなり過ぎることである.よって,適切な荷重はだいたい10 kN(1t)以下と思う.また,梅雨時のように湿度が極めて高いと,圧力調整弁に水滴がたまりその結果精度が落ちる.

5−6 油圧クリープ試験機はどうか
空圧式クリープ試験機とほとんど同じ原理のものを使用してきた.この場合には圧力センサーとして歪ゲージ式の圧力変換器を使用して,ON−OFF制御している(大久保・西松,1986).したがって,荷重の精度はこの変換器の経年変化に左右されてしまうことになるが,いままでのところではトラブルはない.なお,空圧の場合と同じように圧力調整弁で制御する方法もあるが,弁が高価な上,著者が使用したものでは安定性がいま一つであった.また,摩擦力の影響を受けることなくピストンが滑らかに動作するように,シリンダー内壁とピストン外縁をすり合わせで作ったものを使用している.25年前に作成したときには,これのできる職人が何人かいたが,最近ではだんだん少なくなっているようである.このように一品物の精度を確保することは次第に困難となってきている.

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