鋼繊維補強モルタルの曲げ試験の数値シミュレーション
Appendix U 計算途中で構成方程式の関数形が変わったときの処理方法

 計算途中で構成方程式の関数形を変えたいときがある.以下で,そのときの処理方法について考えてみる.応力および歪が滑らかに変化しているとき(時間tで1次微分可能なとき),構成方程式の境界条件(載荷条件)は,時間間隔を限れば線形近似できるので,αとCを常数として次式であらわすことができる.

dε/dt+α dσ/dt=C (A8)

ε=λσを時間で微分すると次式を得る.

dε/dt=σdλ/dt+λdσ/dt (A9)

(A8)式と(A9)式からあきらかなように,dε/dtとdσ/dtは,dλ/dt,ε,σと境界条件に関わる常数α,Cによりあらわすことができる.よって,応力−歪線図上の点(ε,σ)における応力−歪曲線の勾配dσ/dεは,dλ/dtと境界条件により決まる.

 応力−歪線図上の点(ε,σ)まで,構成方程式(A10)が適用され,その後は(A11)式が適用されるものとする.

dλ/dt=a・σf(λ) (A10)

dλ/dt=A・σF(λ) (A11)

これまでの議論からわかるように,応力および歪が滑らかに変化しており時間間隔を限れば境界条件が一定しているとき,点(ε,σ)にてdσ/dεが連続するためには,dλ/dtが連続であればよい.よって,(A11)式中の常数Aを次の手順で設定すればdλ/dtは連続となる.

a・σf(λ)=A・σF(λ)

よって, A=af(λ)/F(λ) (A12)

次に,構成方程式を切り替える点(ε,σ)における,ポアソン比の変化について考えてみる.(8)式や(9)式のようにポアソン比がコンプライアンスの関数ν(λ)として与えられるときは次式が成り立つ.

dν/dt=(dν/dλ)(dλ/dt) (A13)

よって,dλ/dtが構成方程式を切り替える前後で連続していれば,dν/dtも連続である.

 結局,歪,応力,コンプライアンス,ポアソン比の4値,およびそれらの時間による微分値が,構成方程式を切り替える前後で連続となる.