TBMの仕様と掘削抵抗の関連について
5.掘削抵抗

5.1 推力の定数c

各トンネルで求めた式(3)の定数c表1に,cと掘削径の関係を図5(a)に示す.掘削径の増加に従いcも増加する傾向が見られ,3章で述べたように設計推力を掘削径に比例させていることに合致している.

/n,すなわち式(1)のaと相関性のよいものを探した結果,カッタ径との相関が最もよかった.図6(a)にc/nとカッタ径dの関係を示すが,c/nとカッタ径との間にはほぼ直線関係が成り立つ.

    (10)

さてには,西松の式とMovinkelの式から計算される関係(大久保,1990)も示した.大久保(1990)が収集した式の中で,式(1)と同じ形をしているものは,この他にSnowdonの式とGrahamの式があり,両式の計算結果は西松の式とMovinkelの式の間に入る.実際のTBMではカッタ径の増加に従いc/nは大きく増加しているが,Movinkelの式はカッタ径の影響を考慮していない.西松の式では,背分力はカッタ径の平方根に比例するとしているが,カッタ径によるc/nの変化は小さい.Sanio(1985)とRoxborough and Phillips(1975)も,岩盤とカッタの接触面積はカッタ径の平方根に比例するため,a(=c/n)もカッタ径の平方根に比例するとしている.カッタ径の平方根にc/nが比例するとした場合,カッタ径が355.6 mmから483 mmに増加してもc/nは20 %程度大きくなるだけであるが,TBMで測定されたc/nは4倍近く増加する.この点に関しては,6章で検討する.

5.2 トルクの定数c

各TBMで求めた式(4)の定数c表1に,cと掘削径の関係を図5(b)に示す.cと同様に掘削径の増加に従い,cも増加する傾向が見られる.図6(b)にc/nとカッタ径の関係を示すが,この場合も,c/nと同様にカッタ径の増加に従い増加する傾向が見られる.

これまでに提案された式では主分力と背分力の比で表現することが多いので,本研究もこれにならうことにする.c/nを平均カッタ回転半径r(ここでは掘削半径の0.6倍とした)で割った値は(2)式のaに相当する.このaをa(=c/n)で割った値が,主分力Fと背分力Fの比を決定する定数a[=c/(cr)]となる.

   (11)

とカッタ径の関係を図7に示す.にはSanioの式も示したが,カッタ径が355.6 mmおよび394 mmではSanioの式より測定値が大きく,432 mmでは小さくなっている.

はカッタ径により低減する傾向をみせるが,両者の相関性は低い.そこで,aと相関性のよいものを探した結果,掘削径との相関が強いことがわかったので,図8に両者の関係を示す.からわかるように,掘削径が大きくなるほどaの値は小さくなっていき,次式が近似的に成り立つ.

  (12)

式(10)と式(12)を用いて,cは次式で表される.

  (13)

なお,表1に,式(10),(12),(13)より推定したc,c,aの値を示すが,実際の施工結果とほぼ一致している.