岩石試験用サーボ試験機の制御性
2. サーボ試験機のモデル

著者らは現在まで、2台のサーボ試験機の使用し、数多くの岩石試験を行ってきた。1台は、MTS社製の試験機(西松ら,1981)[試験機A]であり、もう1台は最近独自に開発した試験機[試験機B]で、デジタル制御が可能である。試験機Aは容量1500kNで岩石試験用としては、比較的大型にあたり、試験機Bは容量100kNで小型に分類される。両試験機の主要諸元を表1に示す。

両試験機とも標準的な比例制御方式を採用しており、制御システムをブロック線図で表すと図1(a)のようになる(竹中・浦田,1978)。図中E(V)は制御信号であり、これとフィードバック信号Fd(V)との差Z(V)が、サーボアンプに入力される。ゲイン定数Ka(A/V)のサーボアンプで、Zはサーボ弁を駆動するための電流出力I(A)に変換される。サーボ弁の出力流量Q(m3/s)は、Iに対して一次遅れとなると考えた。図中のKv(m3s-1A-1)はサーボ弁のゲイン定数、T(s)はサーボ弁の時定数である。

図2に示すようなアクチュエータを想定し、A(m2)をピストンの受圧面積、V(m3)をシリンダの片側の体積、K(Pa)を油の体積弾性率、P(Pa)をシリンダ出入口の圧力差として、変位Y(m)とQとの関係は、図1(b)のようになる(竹中・浦田,1978)。ただし、F(N)は負荷に加わる力で、λ(m/N)は負荷のコンプライアンス(=Y/F)である。なお、ピストンは中立点付近にあり、前後シリンダ間の油のもれはなく、管路の圧縮性は無視でき、シリンダの剛性は十分大きいと考えた。また、可動部分(主としてピストン)の質量は無視できるとしたが、大型の三軸ベッセルなどを使用する場合には見直す必要のある仮定といえよう。

変位Yは図1(a)に示したように帰還される。Kp(V/m)は帰還回路のゲイン定数である。αは力(F=Y/λ)の帰還量を決める定数で、通常0〜1までの値に設定し、α=0の時には、歪制御、α>0では応力帰還制御(大久保・西松,1984)となる。ここで、理論的検討に便利なように、次のような無次元量を導入することにする。

=E/(Kp・Y0
=(Kv・I)/(A・Y0・ωn)
=Q/(A・Y0・ωn)
Fd=Fd/(Kp・Y0
=Y/Y0
=F/F0
λ=λ/λ0

ただし、図3に示すように、F0 (N)は負荷(試験片)の強度を、λ0 は初期コンプライアンスを、Y0はλ0・F0を表す。無負荷時における試験機系の固有円振動数ωn (1/s)と減衰係数比ζ(無次元)は、次のように表される(増淵, 1984)。

ωn2=(Ka・Kv・Kp)/(A・T)
ζ2=A/(4Ka・Kv・Kp・T)

また、シリンダの油のコンプライアンスを表す無次元量Λは次のように表される。

Λ=V/(2K・A2・λ0

これよりわかるように、変位をY0で、力をF0で、コンプライアンスをλ0で割って無次元化してある。また時間の次元を含む場合は、ωnによって無次元化してある。以下でも、無次元は同様になすこととし、無次元量には*を肩に付すことにする。