一軸圧縮荷重下での岩石のクリープ特性
1.はじめに

クリープ試験は、実験方法が比較的簡単なので、岩石の時間依存性挙動を調べるために、古くから行われている(Parsons & Hedley,1966; Kranz & Scholz,1977; Wawersik,1972; Scholz,1968; Cruden,1974; 磯部ら,1981; 大久保・西松,1986)。例えば、Parsons & Hedley(1966)は、20種類の岩石に対して破壊荷重の50%程度でクリープ試験を行い、大部分の岩石において、対数クリープ則に近い関係が見られたとしている。Kranz & Scholz(1977)は、三次クリープ開始点の非弾性体積歪を測定し、同一岩種であれば、クリープ応力に関係なくほぼ一定であると報告している。Wawersik(1972)によると、クリープ挙動は、完全応力ー歪線図と深くかかわっており、クリープ変形が進行し、強度破壊点以降の応力ー歪曲線の位置まで歪が蓄積すると三次クリープになる。ここで挙げた報告以外にも多くの報告がなされているが、そのほとんどは一次クリープ、二次クリープ、あるいは三次クリープ開始点についてであり、三次クリープそのものについての報告は非常に少ない(磯部ら,1981; 大久保・西松,1986)。三次クリープは、破壊現象と密接に関連を持つものと考えられ、その解明はトンネル等の地下構造物の破壊の予知あるいは防止に役立つものと思われる。また、応力ー歪線図上での強度破壊点以降の特性とも関連していると考えられ、時間依存性を考慮した構成方程式の構築にも役立つものと思われる。既報(大久保・西松,1986)では、三城目安山岩及び河津凝灰岩を用いて、クリープ試験を行い、三次クリープにおいて、歪速度と残存寿命との間に簡単な法則があることを示した。この法則が多くの岩種において成り立つとすると、岩盤構造物の破壊の予知等に応用することが可能となる。よって本論文においては、4種類の試料を用いたクリープ試験を行い、三城目安山岩及び河津凝灰岩について既報で得られた知見が今回用いた試料に対しても成り立つかどうかを慎重に検討した。また、試料の種類による違い等についても検討したので、ここに報告する。