一軸圧縮荷重下での岩石のクリープ特性
2. 実験装置と試料岩石

2.1 実験装置及び実験方法

稲田花こう岩以外については、既報で報告したクリープ試験機を用いた。試験片には、1s以内に所定の応力が加わるようになっている。詳しくは、既報(大久保・西松,1986)を参照されたい。

 稲田花こう岩については、クリープ試験機の定格以上の荷重を加える必要があったので、最近当研究室で開発したデジタル制御方式のサーボ試験機を用いた。デジタル制御方式にした理由は、例えば変位速度一定試験からクリープ試験に変更するような、制御変数の変更を実験の途中で比較的簡単に行えるためである。図1にサーボ試験機の概略図を示す。油圧源は、定格20MPaのもので、サーボ弁に圧力を供給している。荷重は、ロードセル(日本特殊測器製 LRX-10T)で測定し、その出力は直流増幅器(ユニパルス製 AM30)を経て、A/D変換器に送られる。雑音防止のため、直流増幅器に内蔵の1kHzのローパスフィルターをかけた。変位は、差動変圧器式変位計(新光電機製 6014)で測定し、その出力は増幅器(新光電機製 1533)を経て、A/D変換器に送られる。雑音防止のため、4kHzのローパスフィルターをかけた。A/D変換器(システムポート筑波製 SPIF-AD1)は、12bitの分解能をもち、1チャンネル当りの変換時間は20μsである。D/A変換器(CONTEC製 DA12-4)は、12bitの分解能で、セトリング時間は600nsである。A/D変換器とD/A変換器は、マイクロコンピューター(NEC製 PC-9801E)に組み込んである。制御は、比例制御によって行った。デジタル制御方式では、信号は一定間隔(サンプリング時間)ごとにサンプルされ、その後ホールドされる。サンプリング時間が長いと制御性が劣化するが、今回の実験で用いたサーボ試験機のサンプリング時間は0.2ms程度であり、この値がサーボ弁の時定数に比べてはるかに小さいことから、サンプリング時間の影響はほとんどないと考えられる(大久保ら,1988)。クリープ試験の載荷時には、歪速度一定(10-5-1)で、設定荷重まで載荷を行い、その後、荷重を一定としてクリープ試験を行った。

変位の計測は70ms毎に行った。測定期間が長期にわたるので、すべてのデータを記憶することは現実的に不可能である。幸いクリープ試験では変位が単調に増加していくので、A/D変換器の出力が指定された値を取った最終時間を順次記憶することにした。この際重要になるのは、二次クリープ領域のように歪速度が小さくなる所での測定系の安定性であるが、今回の実験装置では、変動がA/D変換器の分解能、すなわち歪に換算して10-5程度であり、問題とならなかった。

2.2 試料

試料としては、多胡砂岩、セメントモルタル、中粒秋芳大理石及び稲田花こう岩を用いた。セメントモルタルは、ロックボルト用の建設ファスナー製ドライモルタルを使用し、セメント:砂:水=1:0.5:0.5の混合比で調製したものを用いた。セメントモルタルは、製作後しばらくの期間力学的特性が変化しやすいので、製作してから3〜4年経たものを用いた。試験片としては、直径2.4cm、高さ5.2cmの円柱形に整形したものを用いた。試験片の両端面は、平面研削盤により、平行度±0.02mm以内に仕上げた。試験片は、整形後1ヶ月以上自然乾燥させてから使用した。試料の物性値、クリープ応力及びクリープ寿命を表1に示す。