岩石のピーク強度および残留強度の載荷速度依存性
2.試験方法

試料岩石4,8,14,15)として,田下凝灰岩,三城目安山岩,細粒の秋吉大理石,来待砂岩,幌延泥岩を用いた.試験片は直径25mm,高さ50mmの円柱形とした.田下凝灰岩,三城目安山岩,秋吉大理石,来待砂岩の試験片は,整形後,温度・湿度が管理された試験室内に2週間以上放置し,自然乾燥させた.幌延泥岩では,原位置で採取したコアを密封して保管し,乾燥しないように心がけた.試験片は整形後,真空パック内で保存し,試験開始直前に開封した.

田下凝灰岩,秋吉大理石,幌延泥岩の試験では,載荷装置として容量500kNのディジタル制御式サーボ試験機16)を用いた.荷重は容量200kNの歪ゲージ式ロードセルで,変位はサーボ試験機に組み込まれている差動変圧器で測定した.三城目安山岩と来待砂岩の試験では,載荷装置として容量100kNのディジタル制御式サーボ試験機17)を用いた.荷重は容量100kNの歪ゲージ式ロードセルで,変位は差動変圧器で測定した.三軸圧縮試験では,最大圧力35MPaのサーボ式周圧発生装置と透明なアクリル樹脂製の可視化ベッセル18)を用いた.

載荷速度依存性を調べるため,Fig.1に模式的に示すように,歪が切り換え間隔刄テだけ増加するごとに,歪速度を遅い速度C1と速い速度C2の間で交互に切り換えた.これを,以下では,歪速度を切り換えた試験と称する.

5種類の岩石に対して,一軸圧縮応力下で,歪速度を切り換えた試験を行った.なお,幌延泥岩では乾燥を防ぐため,試験片を熱収縮性チューブで覆い,試験を行った.ただし横方向への変形が拘束されないよう,試験片とチューブとの間に隙間を設けた.

田下凝灰岩と幌延泥岩の2岩石は,三軸圧縮試験も実施した.まず,試験片の上下に同径の鋼製円柱を密着させ,全体を熱収縮性チューブで覆った.その後,鋼製円柱とチューブとの隙間に瞬間接着剤を流し込み,硬化を待った.組み立てた可視化ベッセルを試験機上に置き,空気抜きを行った後,変位の零点の調整を行った.周圧を設定値まで増加させ安定した後,載荷を開始した.一軸圧縮試験と同様に,歪が一定量増加するごとに歪速度を交互に切り換えた.なお,水分を多く含む幌延泥岩の試験では,鋼製円柱に直径3mmの孔を5つ設け,試験中に水が排出されるようにした15).

Table 1には,2種類の歪速度C1,C2と切り換え間隔刄テをまとめて示したが,田下凝灰岩と秋吉大理石では刄テの適値を検討するために,刄テを数通りに変化させた.