むさし君との対話1
■ 速い現象から遅い現象まで



むさし:お帰りなさい.毎日,学校で何を研究しているのですか.
SO:そう聞かれると困るんだけど,常に時間の概念があることは確かだね.
むさし:猫には難しすぎる説明ですね.
SO:何かものを叩いて壊す.これは大体10〜100μs位で完結する現象と思ってよい.この様な場合には通常より脆い性質を示すことがあるんだよ.
むさし:例えば?
SO:物差しなどに使われている高分子なんですが,200℃位に熱すると溶融してねばねばした液体のようになる.しかし,これを急激に引っ張ると,ほとんど変形せずガラスのように振舞う.破断した面は鏡面状でぴかぴか光って本当にきれいだった.
むさし:ゆっくりした,時間のかかる現象については.
SO:地下に大規模な構造物を作る.できたら10万年位は使用したいとする.岩石は脆性材料と思われているんだけれども,長い年月にわたって力を受け続けると,少しずつ変形するんだよね.あたかも飴のように.
むさし:どうやって予想するのですか.
SO:計算機シミュレーションなんかである程度の予想はできるんだが,どうやって検証するかが問題なんだよ.結局,いまやっている研究の核心は,ここに行き着くんだけれどもね.
むさし:解決できそうですか.
SO:完全に解決することは不可能だろうね.少しずつ努力していく他にないんだろうね.まさに,学問に王道なしといったところかな.


大久保むさし
大久保むさし


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